畑亜貴インタビュー@「アニカンR MUSIC Vol.2」
発売は先週と告知が遅れましたが、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『らき☆すた』をはじめ、たくさんのアニメや声優、アーティストに作詞提供されている畑亜貴さんのインタビューを担当させていただきました。アニソン界に限らず、現在の音楽業界で最強の作詞家のひとりだと思います。お姿はお美しく、お話はとても過激でした。
アニカンR MUSIC 02 サウンドホライズン32P徹底特集 アリプロジェクト 妖精帝國 片霧烈火 eufonius 石川智晶 Suara[雑誌]
- 作者: アニカン
- 出版社/メーカー: MG2(エムジーツー)
- 発売日: 2007/08/04
- メディア: 雑誌
- 購入: 2人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
ハロプロ楽曲大賞1997〜2006
http://www.k2.dion.ne.jp/~prse/hpma/1997-2006/
本日締め切りです! 取り急ぎ投票内容だけ。さすがにこの量だと批評的な理由とかハロプロの物語的な流れとかを差し挟む余地は少なくって、本当に個人的に好きなものしか入れられないですね。選考理由は追ってこのエントリで。
楽曲部門:
1位 「、、、好きだよ!」 / モーニング娘。 / 2.5ピロスエ
2位 I & YOU & I & YOU & I / タンポポ / 2.5ピロスエ
3位 This is 運命 / メロン記念日 / 2ピロスエ
4位 宇宙でLa Ta Ta / 太陽とシスコムーン / 1.5ピロスエ
5位 トロピカ〜ル恋して〜る / 松浦亜弥 / 1.5ピロスエPV部門:
1位 乙女 パスタに感動 / タンポポ / 3ピロスエ
2位 青春のSUNRISE / EE JUMP / 2ピロスエ
3位 夏の夜はデインジャー! / メロン記念日 / 1ピロスエアルバム部門:
1位 セカンド モーニング / モーニング娘。 / 2.5ピロスエ
2位 ファーストKISS / 松浦亜弥 / 2.5ピロスエ
3位 1st Anniversary / メロン記念日 / 1ピロスエ推しメン部門
道重さゆみ
『AKSB 〜これがアキシブ系だ!〜』
来る9月21日、こんなコンピレーションが発売されることになりました。
01.Neko Mimi Mode/Dimitri From Paris
sound produced by Dimitri From Paris(TVアニメ「月詠」OPテーマ)
02.Let Me Be With You/ROUND TABLE featuring Nino
sound produced by ROUND TABLE(TVアニメ「ちょびっツ」OPテーマ)
03.ビーグル/山野裕子
sound produced by 宮川弾(TVアニメ「ココロ図書館」主題歌)
04.波のトリコになるように/小川範子
sound produced by 菊地成孔(TVアニメ「月詠」挿入歌)
05.人間だから/豊口めぐみ
sound produced by 冨田恵一(TVアニメ「ちょびっツ」イメージソング)
06.かたことの恋/高浪敬太郎&Yama−K
sound produced by 高浪敬太郎(TVアニメ「ちょびっツ」挿入歌)
07.Dear Friend/鈴木さえ子 with TOMISIRO
sound produced by 鈴木さえ子(TVアニメ「ケロロ軍曹」挿入歌)
08.la la maladie du sommeil/桑島法子
sound produced by 橋本一子(TVアニメ「ラーゼフォン」挿入歌)
09.瞳のトンネル/田中理恵
sound produced by 桜井鉄太郎(TVアニメ「ちょびっツ」イメージソング)
10.リトルグッバイ/ROCKY CHACK
sound produced by 保刈久明(TVアニメ「ゼーガペイン」EDテーマ)
11.明日はたぶん大丈夫/パール兄弟
sound produced by パール兄弟(TVアニメ「N・H・Kにようこそ!」挿入歌)
12.Cloud Age Symphony/OKINO,SHUNTARO
sound produced by OKINO,SHUNTARO(TVアニメ「ラストエグザイル」OPテーマ)
13.CESTREE/牧野由衣
sound produced by かの香織(TVアニメ「ゼーガペイン」挿入歌)
14.Pressentiment triste/marianne Amplifier feat.yuka
sound produced by 橋本由香利(TVアニメ「月詠」EDテーマ)
15.タイトル未定
remixed by 小西康陽(予定)
アニソンマガジン創刊号でのインタビューのご縁もあり、JVC(旧ビクター)エンタテインメントの福田正夫プロデューサーからのご依頼で、僭越ながら坂本が解説の執筆をお手伝いさせていただいております。また、ジャケットのデザインはROUND TABLE featuring Ninoやしょこたん、『天元突破グレンラガン』、『おおきく振りかぶって』なども手がけていらっしゃるChannel Productionの内古閑さんが担当されています。
収録曲リストを見てもらえば分かる通りですが、本当に凄いメンツ、そして捨て曲なしの素晴らしいコンピです。音楽マニアの「目」をアニメへと向ける入り口として、あるいは逆に、アニオタの「耳」を音楽にも向けるきっかけとして、絶好のショーケースになっていると思います。実際に聴きやすい形になることで、もっと注目を集めるべきこれら「アキシブ系」*1の音楽が広く知られるようになれば幸いです。
なお、絶賛制作中の『アニソンマガジン』第2号ではこのコンピレーションの紹介のほか、現在放映中の『さよなら絶望先生』ED曲「絶世美人」などをはじめ、たくさんのアニメソングやアイドルソングを手がけていらっしゃる橋本由香利さんへのインタビューも掲載予定です。こちらも渋谷系当時のコアなお話から、携わられたアニソンの制作秘話まで、たっぷりとうかがっております。お楽しみに。
*1:「アキシブ系」という言葉の由来については、mixiの「アキシブ系」コミュニティや四方さんのPerfumeの記事などを参考に。
「ハルヒ二期決定!」
http://d.hatena.ne.jp/CAX/20070707/haruhi
本日付の朝日新聞の朝刊にて、「ハルヒ二期決定!」と発表がありました。今月売りのニュータイプなどにも特集記事が掲載されているようです。
SOS団公式サイトでは原作通りの21時ごろ*1から動画*2が流れています。
発表の内容は「ハルヒ二期決定!」以外なにもなく、時期もスタッフも明らかになっていませんが、一ハルヒオタとして、とりあえず気を揉みながら待ちたいと思います。
*
というわけでわれわれの本の方も、何卒よろしくお願いします。
- 作者: タブロイドと愉快な仲間たち
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2007/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 127回
- この商品を含むブログ (37件) を見る
『超解読 涼宮ハルヒ』CM (ミラー@ニコニコ動画)
*
なお、オトナアニメに山本寛さんのインタビューが載るようです。
http://d.hatena.ne.jp/otonaanime/20070703#p1
ハルヒ二期の行方と密接にかかわる内容を多少、というか結構(?)含んでいる模様です。
『涼宮ハルヒの憂鬱』石原立也監督インタビュー
http://spa.fusosha.co.jp/
今週発売の週刊SPA!(2007年6月19日号)の連載「エッジな人々」にて、京都アニメーションの石原立也監督のインタビューを、タブロイドの久保内と坂本で担当しました。一般向けの紹介記事ではありますが、「京アニクオリティの秘密」と題して、『超解読 涼宮ハルヒ』でもふれた京アニの制作体制について、多少突っ込んだお話もうかがっています。是非ご覧ください。
- 作者: タブロイドと愉快な仲間たち
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2007/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 127回
- この商品を含むブログ (37件) を見る
『アニソンマガジン』発売
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2007/06/08
- メディア: ムック
- 購入: 3人 クリック: 86回
- この商品を含むブログ (73件) を見る
先日も告知いたしました『アニソンマガジン』が明日発売となります。以下の公式ブログには、内容の詳細も紹介されています。
http://d.hatena.ne.jp/animaga/
坂本はライティングで、『らき☆すた』特集全般と神前暁氏へのインタビュー、「アキシブ系」特集全般とビクターエンタテインメント福田正夫プロデューサーへのインタビューを主に担当しております。どちらも既存のメディアには乗りにくい、かなり面白いお話がうかがえました。
神前さんには、「もってけ!セーラーふく」についてだけではなく、プロフィールからこれまでに携わった楽曲に関しての制作秘話まで、かなり幅広くうかがいました。もちろん『涼宮ハルヒの憂鬱』に関するお話もたくさんあったのですが、あまりに長尺のインタビューになりましたので、前後半の二部構成とし、ハルヒの音楽についてはアニソンマガジン次号で予定している特集に掲載予定となっています。こちらもお楽しみに。
福田さんは『ちょびっツ』『月詠』『ケロロ軍曹』『ARIA』『N・H・Kにようこそ!』と、アニソンの中でも特に「渋谷系」の流れを感じさせるプロデュースワークをされている方です。今回は「アキシブ系」という一部で使われはじめている言葉をキーワードに、アニソンへの「渋谷系」の影響や、アニソンの音楽面での有機的なつながりが視覚化できればというコンセプトの特集です。また、アニソンという縛りを超えて、渋谷系的な音楽が好きな人にとってのディスクガイドにもなればと思っています。
声優&アニメソングミュージックガイド―音楽からアニメを楽しむぼくたちのA-POP宣言!! (アスペクトムック)
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2006/06
- メディア: ムック
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
なお、昨年発売されたこちらの「声優&アニメソングミュージックガイド」は、同じく「アニソンマガジン」の永田くんを中心に制作されています。坂本は桃井はるこ、ROUND TABLEへのインタビューなどを担当しました。「アニソンマガジン」にピンと来た方は、こちらも合わせてお読みいただければ幸いです。
ハルヒの愛した数式
坂本寛
※以下の文書は『現代視覚文化研究』(三才ブックス)に初出の原稿を、『超解読 涼宮ハルヒ』用に改稿したものが元になっています。『超解読 涼宮ハルヒ』ではページ数の都合で収録を見合わせましたが、版元様のご厚意によりWeb上で公開させていただきます。
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 241回
- この商品を含むブログ (55件) を見る
- 作者: タブロイドと愉快な仲間たち
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2007/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 127回
- この商品を含むブログ (37件) を見る
▼答えはいつも私の胸に
ハルヒ的世界が最新の物理学的、数学的な要素を多分に盛り込んだものであることは『超解読 涼宮ハルヒ』でも指摘した通りだ。またアニメ版ハルヒの作画の異常なクオリティの高さや、緻密な演出設計についてもここまで見てきた通りだ。そうしたことを念頭に置いた上で、今度はオープニング『冒険でしょでしょ?』に目を向けると、なんだか数式がたくさん出てきていることに嫌でも気がつくはずだ。
これまでの京アニのこだわりぶりを鑑みると、当然のことながら、これらの数式や記号が何の脈絡もなく並んでいるとは考えにくい。そこで、われわれはこうした数式をひとつひとつ吟味してみることにした。すると、やはりそこにはある一定の意味を見出すことができたのである。
▼SOS団を構成する素粒子たち
まず「制作総指揮」とクレジットが出てくるショットを見てみよう。ここでは大股でのしのし歩くハルヒの腰から下がアップになっているが、その背後にはチラチラと動く二種類の記号が見え隠れしている。
まず図1のような「電子(e-)」と「陽電子(e+)」のスピンがいくつか見えるはずだ。これは電子と陽電子が互いに電気的に束縛されて対となった「ポジトロニウム」というエキゾチック原子の一種(元素記号は「Ps」)だ。
物質中に電子の反粒子である陽電子を照射すると、通常は電子と陽電子が対消滅を起こしてγ線を放出する。ところが絶縁体中だとかなりの割合で準安定状態となり、このポジトロニウムが形成されることになる。ただし、水素のような最安定状態の原子と比較すると不安定で寿命は短く、最終的に電子と陽電子は対消滅を起こして光子となる。
一方、ポジトロニウムとともにいくつか見えている図2の「ラムダ(Λ)粒子*1」は、「アップクォーク」と「ダウンクォーク」と「ストレンジクォーク」の三つのクォークからなる「バリオン」の一種*2だ。これらのクォークは量子色力学によって記述される「強い相互作用」によって結びついており、特にストレンジクォークを含むものは「ハイペロン」と呼ばれている。
ポジトロニウムを構成する電子と陽電子、およびラムダ粒子を構成する三つのクォークは、すべて「素粒子」である。すなわちここには、現時点で確認されている物質を構成する最小の単位、素粒子が五つあらわれていることになる。したがって、電子と陽電子がそれぞれ「涼宮ハルヒ」と「キョン」を、ラムダ粒子を構成する三つのクォークが「朝比奈みくる」と「長門有希」と「古泉一樹」の三人を、それぞれ暗示していると考えることが可能なのだ。
ちなみにポジトロニウムは、自然界で最も軽く小さい水素原子中の陽子が陽電子に置き換わったものであり、きわめて軽く小さい原子である。またポジトロニウムと通常の原子との間では斥力が働き、物質中に空孔があるとそこにとどまるという性質がある。これを利用して、物質に陽電子を照射してポジトロニウムを生成、ポジトロニウムが光子になる様子を観測して物質中のナノサイズの構造を調べることも可能だ。
そこでポジトロニウムよろしくハルヒとキョンが対となって何億もの素粒子たちの間隙をすり抜け、まばゆい光を放つ様子を想像してみてほしい。それはほとんど『涼宮ハルヒの憂鬱』のクライマックスのシーンと同じだろう。
なお、古泉の「そして鍵そのものには本当の効力はない。鍵はあくまで扉を開ける効果しかないものです」という言葉も借りるなら、「扉=電子=ハルヒ」であり、「鍵=陽電子=キョン」となる。このことは、そもそも電子がマイナスの電荷、すなわち「憂鬱」を持ち、陽電子がこれを打ち消すプラスの電荷を持っていることからも明らかだ。
▼SOS団の構造式
次に「シリーズ構成 涼宮ハルヒと愉快な仲間たち」とある場面に移ろう。ハルヒの頭の上の方がアップになっており、頭上に数々の数式や記号が舞い踊っているシーンだ。
中央に大きく「ベンゼン環」の構造式(図3)が見える。この六角形の環状構造式は提案者のケクレにちなんで「ケクレ構造式」とも呼ばれており、これによって通常の分子式上では不安定に見えるベンゼン(C6H6)がきわめて安定であることをうまく説明できる、というものだ。つまりこれは「一見不安定に見えるがきわめて安定なSOS団」を暗示しているのだ。
ケクレは六匹の蛇が順に隣の蛇のしっぽをくわえて輪になっている夢を見て、この構造式を思いついたと言われている(ただし、この話は創作というのが現在の定説)。これはグノーシス派や錬金術師などが用いた「ウロボロス」の図案(図4)ともよく似ている。ウロボロスは「全であり一」「永劫回帰」「陰陽」などといった概念を象徴し、無限大(∞)の記号*3の元にもなっているという大層な代物である。
ここまで深入りすると実に意味深にも見えてくるが、とりあえずベンゼン環をSOS団にそのまま適用しようとすると、五人なのでひとり足りないことになる。そこでSOS団を最安定にする今ひとりの「名誉顧問・鶴屋さん」が要請されるという解釈となるだろうか?
実はこの話は、ここだけですべてを確定することはできない。とりあえず結論を出すことは置いておき、先に進むことにしよう。
▼五角形とオイラーの謎
次にハルヒの頭上左端には、かなり見にくいが「オイラーの五角数定理」(図5)の下の部分がほんの少しだけ見えている。
まずここで言う「五角数」とは、ピタゴラスの時代から研究されていた数列のこと。他にも「三角数」「平方数(つまり四角数)」「六角数」と、同様にして考えることができるのだが、これらは図6のように、それぞれ三角形・四角形・五角形・六角形の形に一辺の石の数を順に増やしていくように並べてみれば分かりやすい。それぞれの全体の石の数は「1, 3, 6, 10, 15...」「1, 4, 9, 16, 25...」「1, 5, 12, 22, 35...」「1, 6, 15, 28, 45...」という数列になっているのだ。
そこで話を「オイラーの五角数定理」に戻そう。これはオイラーが分割数p(n)を研究していた際に発見した定理で、右辺の級数のxのべき乗数が、まさにいま説明したn番目の五角数を表す「n(3n-1)/2」になっている、というものなのだ。
この式自体は「デデキントのイータ関数=ヤコビのテータ関数」という保型形式間の等式であったり、ヤコビの公式やラマヌジャン数に関連して統計力学(ボース=アインシュタイン統計)に応用されたり、最近では素粒子の超弦理論との関連(シンプレクティック多様体のアデール化)まで研究されていたりするもの……らしい。あまりに専門的で難しく、書いている方もおぼつかないが、とにかく現代の数学や物理学において重要な意味を持つ数式である。
『超解読 涼宮ハルヒ』でも示したが、原作では18世紀最大の数学者であるオイラーが頻出している。これはアニメにおいてもくり返されたわけだが、この点について、残念ながらわれわれはこれだという解釈に到達していない。ともすれば今後明らかになる物語の伏線なのかもしれないが、これ以上の「予想」は「解釈」という趣旨からは外れるので、「オイラー」という奇妙な符号の一致を指摘しておくにとどめたい。
しかしハルヒは、そんなわれわれの慎みなどお構いなしだ。この定理を他の多角数に対して一般化した「(p+2)角数定理」(図7)が、同時にハルヒの頭上右に見えているのである。ハルヒはSOS団五人が作る「五角形」にとどまらず、オイラーの数式をさらに一般化するつもりなのか。キョンでなくても「やれやれ」と思わされるところだ。
▼いいかげんな団長様
さて「オイラーの五角数定理」の下、「ベンゼン環」の左には「ティティウス・ボーデの法則」が見える。
これは18世紀に発見された法則で、当時知られていた太陽系の六つの惑星(水星、金星、地球、火星、木星、土星)の太陽からの平均的な距離が、ある一定の数式(図8)で表せ、しかも「n」の値が自然数になるというもの。なおaは軌道長半径、AUは太陽から地球までの平均距離を一天文単位としたもので、ここではこの左辺「a/AU」が「D」とされている。
この後に発見された天王星がやはりこの法則を満たしていたことから、この法則の信頼性は高まり、逆にこの法則を満たす条件から新しい惑星探しが行われた。しかし、のちに発見された海王星はこの法則から大きくずれていた。また逆に、先日惑星ではないと宣告された冥王星は「n」の値が7で法則とピッタリ一致していたりする。結局、この法則は力学的な定理などによって保証されているわけではなく、現在の物理学・天文学的には偶然の一致に過ぎないとされている。
つまり、ハルヒだってなにも考えずにあてどなくこの世の不思議を広く募集したり、不思議探索パトロールをしたりしているわけではない。わりと当てずっぽうだが――みたいなことがこの数式からもうかがえるのだ。なんらかの経験則に基づいて行動し、次の惑星(「異世界人」や「この世の不思議」)を探している、というわけだ。
また太陽をハルヒと仮定して、「ティティウス・ボーデの法則」が適用された六つの惑星を、それぞれSOS団の団員に無理矢理当てはめてみよう。するとなんとなく水星=長門、金星=みくる(小)、地球=キョン、火星=古泉、木星=みくる(大)、土星=鶴屋といったところだろうか。これは月=キョン妹だと言いたかっただけだが。
▼神の単位
「ティティウス・ボーデの法則」の下には、「ディラック定数(換算プランク定数)」が見える。これはマックス・プランクによって提唱された量子力学の基礎となる自然単位系(プランク単位系)を定義する物理定数の中でも、最も重要なものだ。プランク定数は光の最小単位に関する定数として見出され、これを0とみなせば量子力学自体が古典力学と等価となる。
物理定数は実験や観測によって実際の数値を求めることが可能だが、いわゆる量子力学上の不確定性の問題もあって、完全に正確な値を知ることはできない。*4したがって、図9に示したのは「推奨値」であり、括弧内の数値は標準の不確かさを表している。この映像中の「ディラック定数」は「1.054571596」と値が示されているので、これはある状態を観測した時の特定の値ということになる。あるいはハルヒをすべての原理とする古泉の公理系なら、「ハルヒがそう望んだ値」などと言っても差し支えないかもしれない。
自然単位系は「神の単位」とも呼ばれる。量子力学の公理系はこの上に成立しているので、なぜこの数値になるのかということを問うことはできないのだ。しかし、ハルヒの力はこの物理定数にまで及ぶのではないか。ハルヒが「ディラック定数」を「常識」として知っているから、量子力学はわれわれも知っているような形で今も昔も変わることなく存在すると言えるのではないか――。
もちろんこうした古泉の論理には問題がある。自然単位系とハルヒの常識の、どちらが先に存在したのか決定できないのだ。文字通り「卵が先か、鶏が先か」というわけだ。「これは説明出来ません。解ってしまうんだから仕方がないとしか」と答える古泉は、こうしたハルヒ的世界の矛盾を自覚した上でうそぶいているのだ。
現時点では、涼宮ハルヒの存在を問うことはできない。とりあえず観測上その存在は認められるので、われわれも古泉同様、そこからハルヒ的世界を記述するほかないのだ。これは自然単位系に対する量子力学の立場とまったく同じものでもある。そしてやはり『超解読 涼宮ハルヒ』でも述べたように、キョンはこうした「語りえないこと」について語るという不可能性に対する「希望」を背負わされているのだ。
▼長門は存在するか否か
「ディラック定数」のさらに下に見えているのは「ドレイクの方程式」(図10)である。これは要するに宇宙人(地球外文明)が存在するか否かを推測するために考案された方程式で、左辺の「N」が地球外文明の数を表し、右辺に想定されうる様々なパラメーターを代入することで、ある程度正確な推測値を出すことができる、とされているものである。
正確な変数の定義がハッキリしておらず、あくまで近似値や推測の域を出ることがない方程式ではあるが、ある程度妥当だと思われるパラメーターを代入すると「N」が1より大きくなる、すなわち「宇宙人は存在する」という結果になることが多いという。しかし、現在のところ宇宙人は一般には観測されていないのも事実であり、このことは「フェルミのパラドックス」として知られている。このパラドックスには様々な解釈や説明がなされ、現実的なものからSF的妄想、果てはギャグとしか思えないようなことも言われたりしている。
そんな真偽不明の方程式でも、ハルヒがふと授業中にこれをノートに書き込み、パラメーターを真剣かつ適当に考えて代入したとすると大変なことになる。すなわちハルヒは「宇宙人は存在する」という結論に至るはずで、すなわち長門有希の存在が確定してしまうのだ。もしも長門がそのようにして生まれたとするなら、われわれはフランク・ドレイクの方向(たぶんアメリカ)に足を向けて寝ることはできないだろう。ありがとうフランク。
▼涼宮ハルヒの時間発展
さて一番左下に出ているのは、泣く子も黙る「シュレーディンガー方程式」(図11)である。言うまでもなく現代の物理学において最も重要な、量子力学の基礎方程式である。物理量が定まるとされる古典力学系とは異なり、物理量の確率分布だけが定まるとされるのが量子力学系であり、そこで状態ベクトル、すなわち波動力学における「波動関数」で表される純粋状態の時間発展を記述する方程式である。ある状態に対応した波動関数の絶対値の二乗が、その状態の実現確率を表すと解釈されるが、そう考えると辻褄が合うというだけで、実のところ波動関数が何を表しているのか、実在する物理量なのかもわかっていない。
とりあえずここで重要なのは、このハルヒにおけるシュレーディンガー方程式が「時間を含んだ形式」で書かれていることだ。これは後述するみくるの「波動方程式」と、興味深い対照を示しているのである。
▼この世界はいつ始まったのか
一番右上に見えるのは、「ハッブルの法則」を元にして宇宙の年齢を算出している数式だ。
「ハッブルの法則」は、ある天体がわれわれから遠ざかる速さvが、その天体までの距離rと正比例していることを表す。われわれより遠い天体ほど、加速度的に速度を増してわれわれから遠ざかっていくのだ。これは宇宙が膨張していることを明らかにした法則であり、この比例定数、すなわち宇宙の膨張速度を表す値は「ハッブル定数」と呼ばれる。そして宇宙が最初は一箇所に集まっていて天体同士の距離が0であったなら、ある天体までの距離を後退速度で割ったもの、すなわち「ハッブル定数」の逆数は、宇宙年齢に等しくなるのである。
したがって、古泉が言うように「世界が三年前から始まった」説を採用するなら「ハッブル定数」は1/3となるわけだが、これは「ハルヒの法則」とでも言うべきものによって世界が上書きされてしまった状態なわけで、もはやハッブルの法則自体が役に立たなくなっていることは言うまでもない。
このハルヒのシーンの数式の最後となるのは、ハルヒの顔の後ろにチラッと見えている「確率変数Xのエントロピー」(図13)だ。この数式は熱力学上のエントロピーを表すものではなく、情報理論におけるエントロピーについてのもの。この場合エントロピーは観測によって得られる平均情報量(情報の期待値)のことを指し、情報が不規則であればあるほど、その情報源は平均として多くの情報を持つことになる。
この数式によれば、例えばコインを投げたとき、表または裏が出る確率が100%ならエントロピーは0である。エントロピーが最大になるのは、不規則さが最大となる表裏50%ずつのときとなる。常にこの世の不思議、すなわちまったく新しい情報を求めているハルヒであるからして、エントロピーが最大となるような不規則行動に出るのも当然の帰結だ。ただし、実際に「異常な情報フレア」の発生源となっているのはハルヒ自身であり、コインそれ自体であるハルヒは、自身のランダムウォークを観測することはできないのだ。
なお、正確には平均値と期待値は異なる概念であり、期待値とは「一回きりの平均値」とでも言うべき不思議な概念である。これは、ハルヒに対するみくるの見解を理解するのに役立つ。彼女は未来からやってきているので、世界がどのようになるかということを100%の期待値で、いくつかの経路がある中でのそうあるべき過去として知っているのである。この考え方だと、ハルヒ的世界はパラレルワールドを持たず、必ずひとつの現実に収束することになる。たとえ『涼宮ハルヒの消失』のような分岐が発生したとしても、その分岐自体が予定通りとなるのである。
このみくる説は、すべてがハルヒの意志によって決定されるとする古泉説とは相容れない。現実はハルヒの意志に関わりなく「すでに」決定しているというのだ。そしてこれは「未来人・朝比奈みくる」という存在自体の根拠でもある。しかし、このみくるが知る現実の期待値は必ずしも100%ではないのかもしれない。これは『朝比奈みくるの憂鬱』や『涼宮ハルヒの陰謀』でも、暗に示されていることだ。
さらに『陰謀』での意味深な鶴屋さんの台詞(「キョンくんはどっちだと思う? 未来人か宇宙人だったら、どっちがいい?」P405)からすれば、「未来人・朝比奈みくる」にとっての現実は、長門の言う「自律進化の可能性」とも相容れないようなのだ。また最新作『涼宮ハルヒの分裂』では実際にパラレルワールド的な分岐も起きており、今後の展開次第でみくる説の信憑性は怪しいものになる可能性もある。
ここであの「伏線と言えば聞こえのいい、意味不明な」長門の台詞を引用しておこう。
「古泉イツキ。あなたは彼女を選ぶべきではない。あなたの力はわたしとともにあって初めて有効性を持つことになるのである」
(『涼宮ハルヒの動揺』P74)
▼朝比奈みくるの変数分離法
さてすでに膨大な数式とそのハルヒ的応用を見てきたわけだが、これはキョンでなくとも疲労困憊するに十分なところだろう。そこで朝比奈さんに目を移して和ませてもらうことにしようなどと考えると、痛い目に遭う。あろうことか、魅惑の美少女チアガールである朝比奈さんの背後にも、波動方程式がぞろぞろと並んで流れているからだ。
まずみくるの頭の所に「時間を含まないシュレーディンガー方程式」が流れている。先ほどのハルヒの所では、シュレーディンガー方程式が「時間を含んだ形式」で記述されていたことを思い出して欲しい。こちらの「時間を含まないシュレーディンガー方程式」は、エネルギーが時間に依存せず特定の値(固有値)をとるときのみ波動関数が定常解(固有関数)を持つのである。
すなわち、みくるは量子の重ね合わせを考慮に入れなくてもよいエネルギー固有値を仮定しているのである。これは連続性がない時間平面という理論を展開し、現実をすでに収束したものとして知っている未来人たるにふさわしい振る舞いである。みくるの言う「時間平面上の必然」が、この固有値と固有関数の関係に近いものを指しているのではないかと想像することもできるだろう。
なお、こうした時間に依存しない固有値を仮定する方法は「変数分離法」と呼ばれており、半導体の設計などでも利用される初歩的なテクニックだ。得られるエネルギーを先に決めて、どのような状態ならそれが可能かを求めるわけで、当然エネルギーが時間に依存する場合はこの方法は採れない。だからハルヒのところは時間依存のシュレーディンガー方程式だったというわけなのだ。
以下、みくるの左腕から脇腹のあたりを流れるのは、光子に関しての等式「E=cp」(Eは光子のエネルギー、cは光速、pは運動量)から「波動方程式」が導かれる過程となる。(図15)最初に出てきたハルヒとキョンが作るポジトロニウムが、最終的に光子となると説明したことを思い出してほしい。みくるはハルヒ的世界の結果としての光子の状態を記述しようとしているのだ。
なお、ポジトロニウムに含まれるハルヒとキョン、すなわち電子のような任意の質点から出発すると、同様に「E=p^2/2m」を量子化することになり、ハルヒのところに出てきた時間を含むシュレーディンガー方程式が導かれるのである。
この間、腰の辺りをここでもやはり重要な「ディラック定数」の定義式(図16)が、肩の辺りをアインシュタインの有名な「エネルギー・質量保存則(E=mc^2)」が流れ、さらにその下に未知の関数uに対する波動方程式(tは時間、sは扱う波の速度)が流れている(図17)。また波動方程式にあらわれている「Δ」、すなわちラプラス方程式の微分作用素であるラプラシアン(図18)も左上に出ている。
そもそもハルヒはともかくみくるにこんな方程式が解けるのだろうか? などと思ったら大間違い……かもしれない。何世紀先の未来かは不明だが、われわれの知っている量子力学的な知見など、九九みたいに教わるような未来からやってきたのかもしれないのだ。映画の撮影でカンペの漢字が読めなくても、偏微分方程式は解けるおしゃまなキューピッドかもしれないのである。
とにかく、そんなみくるをわれわれの物差しで測ることは難しい。せめて年齢やスリーサイズといった変数を教えてもらわなければシュレーディンガー方程式も使えないわけだが、なにしろ禁則事項なのであきらめるほかない。
▼現在のすべてを知る未来人
みくるのシーンで最後の数式として紹介するのは、やはりハルヒの時と同じく確率に関係する式となる。胸の高さのあたりを流れるのは「コルモゴロフの公理」、すなわち現代数学における確率論を「公理主義的確率論」として定義するための最重要の三つの公理式のうちのひとつだ。
そもそも確率論は賭け事やゲームに関する実用的な問題から、17世紀頃パスカルらによって始められたものだ。一般に確率というと、試行をすべて「同様に確からしい」と仮定し、「場合の数」を数え上げることによって成立する。しかし、これはあくまで仮定の上の話であって、例えば「コインを投げたとき表と裏の出る確率は等しい」というのは実用上は問題ないが、数学的に証明できるわけではない。実はサイコロの形が微妙に歪んでいました、などということも確率変数として最初に与えられるべきものであり、それらすべてを元にした確率空間を定めなければ、確率を数学的に考えることはできないのだ。
したがって、この公理は「確率」が何を意味するかを問うことはしない。ここでは「確率」が満たすべきいくつかの性質が定義され公理系となり、そこから定理を導くという現代数学的な手法の基礎が与えられているだけだ。未来人・朝比奈みくるもこの公理系に基づいてハルヒ的世界の物理量の確率分布、つまり波動関数の解を求めているわけだ。ただし、あらゆる確率変数を含む確率空間などを仮定できるのは、現在が過去のものである未来人だけなのではないだろうか。
▼「H」をめぐる冒険でしょでしょ?
長々と書いてきたが、実はこれら数々の数式の中に、共通する隠された符号があることに気付いただろうか? ページも尽きてきたのでもったいぶらずに単刀直入に言ってしまうが、それは「H」の存在である。オープニング映像の最後にでかでかと「H」の文字が示されるのは、伊達ではなかったのだ。*5
ハルヒとキョンを表すポジトロニウムは水素原子(H)中の陽子が陽電子に置き換わったものであった。ベンゼン環の構造式では、六つの炭素原子すべてに水素原子(H)がからんでいた。すなわち保留した真の解釈は、偏在するハルヒに対してSOS団の残り四人と鶴屋さん、およびキョン妹かみくる(大)を含む形となる。量子力学のプランク定数は「h」で表され、時間を含むシュレーディンガー方程式はエルミート演算子であるハミルトニアン(H)を含む。ハッブル定数も「H」だし、確率変数Xのエントロピーも「H」の関数で表されている。
また、みくるの時間に依存しないシュレーディンガー方程式は、固有関数(固有ベクトルとも言う)をΨ、エネルギー固有値をEとすると、実は図20のように単純化される。結局またおまえか、とキョンが溜息をつきそうな式である。ちなみに、この場合のハミルトニアンは無限次元の行列として表現される。
なおトンデモ説な古泉はともかく、長門にはなぜ数式が流れないのか? と疑問に思うかもしれない。だがそもそも長門はほとんどわれわれより高次元の存在とも言える情報統合思念体のインターフェースであり、その思考は「うまく言語化できない」超越的なものであったはずだ。したがって彼女にとって数式などはまさに絵に描いた餅でしかなく、ハルヒ的世界を認識する上では特に必要ないものなのだ。
長門に限らず、ハルヒ的世界の超越性を前にしてわれわれができることと言えば、次元数を下げてモデル化・イメージ化して解釈すること、つまり微分して「自律進化の可能性」たる「H」に極限まで近づくこと、さらにこれを換言すれば「萌える」ことくらいだろうか。「語りえないこと」について語る困難に直面するのは、ただ一人キョンだけに与えられた特権であり、同時に彼の義務なのだから。
●コラム
「大数と小数」
オープニングで数式が流れている合間に、チアガールハルヒと応援団ハルヒのカットが挟まれており、ここでは「大数」と「小数」が様々な表記で上から下に、下から上に流れていく。これについても、少々解説を加えておこう。
チアガール姿のハルヒの場面では、10のべき乗(10進法)で表記された大数と、英語での大数を表す単位、および日本語での大数の単位が高速でたくさん流れている。英語で「hundred」以上の大数の単位は10の3乗ごとに変化するようになっていて、ラテン語の数詞が由来となっている。「thousand」や「million」あたりまではおなじみだろう。以下、このように続く。
billion, trillion, quadrillion, quintrillion, sextillion septillion, octillion, nonillion, decillion, ..., centillion, ...
英語での数の最大の単位である「centillion」は使用される地域によって量が異なっており、北アメリカ方式だと10の303乗、ヨーロッパ方式だと10の600乗となる。ここまで大きな数となると、たとえ話でも登場することは稀だろう。ちなみに10の100乗には特別に「googol」という造語があるが、これはインターネットの検索サイト「Google」の名前の由来となっている。
さて一方、日本語で「千」以上の大数の単位は10の4乗ごとに変化するようになっていて、これもおなじみの「万」「億」「兆」から、10の68乗である「無量大数」まで続く。これは日本独自に発達した数学「和算」を紹介した江戸時代の大ベストセラー数学書『塵劫記』(初版発行は1627年)の記述に由来するものだ。
万、億、兆、京、垓、禾予*6、穣、溝、澗、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数
セクシー応援団長ハルヒ様の場面では、今度は逆に10のべき乗(10進法)で表記された小数と、日本語での小数の単位が流れている。英語には小数を表す言葉がないので、ここでは日本語のリストだけ記す。少数は基本的に10進法で一桁ずつ単位が変化するようになっていて、「塵劫記」では10の-21乗である「清浄」が最小の単位となっている。
分、厘、毛、糸、忽、微、繊、沙、塵、埃、渺、漠、模糊、逡巡、須臾、瞬息、弾指、刹那、六徳、空虚、清浄
なお、「塵劫記」は版によって多少表記ゆれがあったり、「清浄」のあと「阿頼耶」、「阿摩羅」、「涅槃寂靜」と続く説もある。また現在野球などで10の-1乗が「割」からはじまるのは江戸時代以降のローカルルールである。
*1:「Λ」はアインシュタインの重力場方程式の中に現れる宇宙項の係数である「宇宙定数」の表記にも使用されるが、ポジトロニウムと併記されていること、および映像で小さく震動する様子が描かれているので、ここではラムダ粒子を指すと解釈するのが適当であると判断した。
*2:陽子や中性子もこのバリオンの一種であり、クォークが発見されるまでは素粒子だと考えられていた。
*3:『消失』の「ベルヌーイ曲線」については『超解読 涼宮ハルヒ』にて詳述。
*4:特殊相対性理論の「光速度不変の原理」に基づき、物理定数の中で真空中の光速度だけは例外的に値が一意的に決定する。長さの単位であるメートル法に基づいて光速度が測定されるのではなく、光速度に基づいてメートル法が定義されるのだ。
*5:ちなみに2007年6月27日発売予定の平野綾の写真集のタイトルも「H」である。
*6:漢字コードがないので1文字を2文字で表現しています。